ダーツをいざ投げようと思ったとき、みなさんは『ダーツをどのようにもつのが正解か』という疑問にぶつかるかるではないでしょうか。
とりあえず見よう見まねで持ってみて、『何かしっくりこない』という方もいると思います。
そんな悩みに対し、ダーツ歴12年となる私が経験を踏まえて解説をしていきたいと思います。この記事を読んでいただければ、自分にとってのグリップの正解がみえてくるかと思います。
気になる方は、最後までお読みいただけると幸いです。
ダーツのグリップ基礎知識について
結論、ダーツのグリップに正解はありません。

それじゃ、解説する意味ないじゃん。
と思われてしまいますね。でもそれには理由があります。ただダーツを持つだけであっても人それぞれ体格、筋力、手先の器用さなど特性が異なるため、万人にベストなグリップの正解はないのです。ですが、基本知識や共通することはもちろんあります。解説をしていきたいと思います。
ダーツの重心の把握について
ダーツのグリップにおいて、大前提となるのは重心位置の把握がポイントです。重心位置とは、物体の重量バランスが均一となるポイントのこと。ダーツにおいては重心位置を把握し、ダーツに力を伝えるところからがスタートです。
では、どのようにダーツの重心を把握するのか。簡単な方法があります。まず手元のダーツのバレル(金属部)を人差し指の上に載せてください。その際に左右に落ちずに安定する位置、それが”重心”です。最初は毎回確かめないとわからなくても同じダーツを投げ続けていると自然と重心の位置がわかるようになってきます(カットの位置や持つ感覚などで)
↓以下に、参考の写真をのせますのでぜひ試してみてください。

重心位置による飛びの違い
では重心を把握した後、どのように持つのが良いか。初心者の方は重心中心位置をもつか、重心より少し後ろを持つのがおすすめです。それぞれの特徴は以下となります。
▪️重心中心位置をもつ場合
- ダーツの重心を持つと、腕からの力が重心にまっすぐに入りやすく、ロスが少ない
- 重心を指で直接支えるので、空中姿勢が安定しやすく、狙ったラインに沿って進みやすい
- 毎回同じ位置を持ちやすく、再現性が高いグリップを作りやすい
▪️重心後方位置をもつ場合
- 重心より後ろを持つと、飛ばす矢角(刺さる角度)のコントロールがしやすい
- やり投げと同じで、重心より少し後ろを持つと、前に押し出す動きと身体の構造が噛み合いやすく押し込むように力を乗せやすい
重心よりかなり前(チップ寄り)を持つと、遠心力を使って飛ばすことはできるもの、射出角が暴れやすく、力の方向がバラつくことがあります。また重心から大きく外れた位置を持つと、抜けたときに「上にすっぽ抜ける」「前に落ちる」など、力が目標方向以外へ逃げやすくダーツに力を上手く伝えられません。
各グリップの特徴とメリット、デメリット
次にダーツを支える指の形について、ダーツに力を適切に伝えるために指の位置はとても重要です。まず代表的な3つの持ち方についてそれぞれの特徴、持ち方とメリット・デメリットを解説していきます。
▪️ツーフィンガーグリップ (親指+人差し指で支持)
ツーフィンガーグリップとは、親指、人差し指の2本の指で持つグリップ方法です。
ポイントとしては、親指と人差し指でダーツを軽くしっかり挟む(鉛筆や箸を持つようなイメージ)
メリット:最小限の指で支えるため手離れは最高です。
デメリット:安定感が少なく、最も難しいグリップとなります。
プロでもツーフィンガーグリップを採用しているプレイヤーは少ないです。
↓以下参考写真となります。(正直これで投げたことないので、あっているかわかりません笑)

▪️スリーフィンガー(親指+人差し指+中指で支持)
スリーフィンガーグリップとは、親指+人差し指+中指の3本指で持つグリップ方法です。
ポイントとしては、親指と人差し指でダーツを軽くしっかり挟み、中指は添えるように支えます。中指の位置は人差し指の隣やダーツの下側に潜り込ませるバリュエーションなどがあります。
メリット:安定感もあり、手離れも比較的に良いです。
デメリット:投げ方によっては指に引っかかりやすいことがあります。
↓以下参考写真となります。(私はチップに中指をかけるグリップです)

▪️フォーフィンガーグリップ(親指+人差し指で支持)
フォーフィンガーグリップとは、親指、人差し指、中指、薬指の4本の指で持つグリップ方法です。ポイントとしては、親指と人差し指でダーツを軽くしっかり挟み、中指と薬指で添えるように支えます。位置は人差し指と横一列に揃っているのが基本となります。
メリット:多くの指を使うので最も安定感があります。
デメリット:手離れがわるくなるのが弱点です。
↓以下参考写真となります。(昔はこのグリップで投げていたこともあります)

→私のおすすめとしては、まずスリーフィンガーで試してみて、どうしてもダーツが暴れたり、ばたつきが気になるひとはフォーフィンガーを試してみるのが良いと思います。
各グリップを採用しているプロは
実際に各グリップを採用しているプロプレイヤーについてもご紹介します。
ツーフィンガーグリップ
鈴木 未来(すずき みくる)選手

ツーフィンガーグリップに最も近い選手として、鈴木未来選手が有名です。
「基本的には2本で持っているイメージ」で中指を添えているツーフィンガーに近いスリーフィンガーともいえます。
鈴木未来選手は日本を代表するトッププロダーツ選手で、BDO世界女子プロ選手権を2019年と2020年に連覇したアジア人初の世界王者です。
国内外ともにトップで活躍しているプレイヤーでツーフィンガーグリップの方はほぼいません。
スリーフィンガーグリップ
知野 真澄(ちの ますみ) 選手

スリーフィンガーグリップで代表的な選手はたくさんいますが、知野 真澄選手もその一人です。
バレルの最後部よりやや前を浅めに持ち、中指を下側から支える安定性重視のスタイルです。
親指・人差し指をメインとして中指が安定のためのガイド。薬指などは添えずにシンプルに置いています。
知野真澄選手は日本トップクラスの男性プロダーツプレイヤーで、PERFECTプロダーツトーナメントに所属し、高さを賭けた精密なフォームでいくつもの大会を制しています。
フォームがとても綺麗なので、個人的にHowToのDVDでお世話になったこともあります。
フォーフィンガーグリップ
浅田 斉吾(あさだ せいご)選手

フォーフィンガーグリップの代表的な選手の一人、浅田 斉吾選手です。
親指を第一関節、人差し指を第二関節上部に置き、中指・薬指でチップ付け根を支えることで、安定したリリースとスピンをかけやすいスタイルを採用しています。
浅田斉吾選手は日本のトッププロダーツプレイヤーで、PERFECTプロダーツトーナメントで2015年から複数年連続年間ランキング1位を獲得した実績を持つ選手です。驚異的な正確さと安定性から「浅田ロボ」または「ダーツロボ」と呼ばれることがあります。笑
まとめ
最後にまとめです。
・ダーツのグリップに正解はないが、重心の位置を把握することがポイント
・初心者には、重心 or 重心より少し後ろをもつのがおすすめ
・グリップの指については、まずスリーフィンガーから試してみる。
→ダーツがどうしても暴れる場合はフォーフィンガーを試してみるのがおすすめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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